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よくある質問(安全性・使用基準)

安全性

合成着色料って石油から出来てるし安全なの?

タール色素や合成着色料の起源原料が石油なのは本当です。ただし、色素に石油が含まれていると誤認識している人も多いです。

この誤解を紐解いていきましょう。
まず合成の意味を理解する必要があります。(合成とは、小麦粉と牛乳でパンを作るような混ぜ物とは違い、
物質そのものを作り変えることを指します。)

石油の成分とは? → 真っ黒い多様な炭化水素の混合物とインターネットで出てきます。

この多様な炭化水素とは、分別蒸留するとガス・ナフサ・灯油・軽油などに分かれていき、
ナフサを更に分留すると、ベンゼン・トルエン・キシレンなどが取り出せます。
ここまでは石油をただ物質ごとに分けただけなので、石油成分として考えて間違いないです。

色素ごとに使用する原料は異なりますが、代表的な「ベンゼン」から色素ができるまで追ってみましょう。

ベンゼン+混酸(濃硝酸+濃硫酸)を合成 → ニトロベンゼンができる。それを濃塩酸と合成 → 
アニリン塩酸塩が出来たので遊離反応させる → アニリンができる
アニリン+他の物質を合成 → 色素の前駆体もしくは色素ができる

ここで某アニリンメーカーの試験表を調べてみると、純度99.0%以上(実測値100%)・ニトロベンゼン含有量0.0001%となっている。
ニトロベンゼンは石油成分に含まれていないため、この時点で石油成分は検出できないことになる。
アニリンを更に合成した色素についても、安全とされる物質の含有量および不純物の規格が厳格に設定されており、どのような高度な分析装置を用いても石油成分は検出できないはずです。

安全とは何か? この捉え方は人それぞれ違いますが、食用タール系色素が安全だと言える一つの理由があります。
それがWHO(世界保健機関)が定めた1日摂取許容量(ADI)です。
この摂取許容量を越えない限り、一生涯毎日摂取しても人体に悪影響を及ぼさないと科学的根拠から証明されているからです。
天然物だからオーガニックだから安全と漠然と判断するのではなく、ADIを調べて安全性を確かめるのが
これからは賢い選択なのかもしれません。


使用基準

使用基準に書いてある食品に使用してはいけないのはなぜ?

食用色素には使用基準が設けられています。
これは合成着色料に限らず天然着色料も同様です。(天然の方が若干少ないです)

【合成着色料の使用基準】
本品は下記の食品に使用してはならない。
1.野菜・豆類・食肉・わかめ類・こんぶ類(これらは加工食品を除く)
2.きなこ・しょう油・鮮魚介類(鯨肉を含む)・茶・のり類・みそ・カステラ・魚肉つけ物・鯨肉つけ物・食肉つけ物・スポンジケーキ・マーマレード・めん類(ワンタンを含む)

対象品を見てみると2.の品目は随分と具体的なことが分かります。
マーマレードはダメなのにイチゴジャムは良いのか?答えは〇です。
なぜこのようなちぐはぐな対象品目になっているかと言うと、聞いたところでは過去に事件があったからだそうです。
例えばカステラ、この事件は明治時代まで遡るそうです。
当時カステラが南蛮貿易で伝えられ日本で流行りだした時に、卵を使っているので高級品として扱われていました。
この時に卵を使わなくても黄味の発色が可能になる合成着色料使われ、食材詐欺が横行したそうです。
スポンジケーキも卵を使うので同様の規制対象となりました。
肉や魚は赤身なので赤色の着色料を使うと発色が良くなり、鮮度が良く見えてしまいます。
このような詐欺が色々と起こり、事件があった品目が規制対象となってしまいました。

ですので、規制対象に使用すると毒に変異するというような理由ではありませんのでご安心下さい。
そのような理由であれば、そもそも認可されておりません。


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